根津、千駄木、湯島といったあたりは、六本木とか青山といった今風のきらびやかさはないけれど、明治、大正、昭和と文化的な歴史とともに住む人々の昔からの息遣いが直に感じられる街のような気がします。
この街、さすがです。
・・・というわけで今回おじゃましたのは根津の老舗のおうどん屋さん、釜竹。角を曲がって古い住宅街を少し歩いたなと思ったら大きな蔵がみえて、その横がこの店の入り口なのでした。 おおげさな看板がでているわけでもないので暗い夜ならわからなかったかもしれません。
でも入ってびっくり。
日本庭園をゆっくり楽しめるように全面にガラス窓が大きく張られた店内。フローリングの床に高い天井から規則正しくテーブルを照らすスポットライト。 実に落ち着いて清々しくモダン。
うしろにある階段を数段上がると白い蔵のなかに入れるようになっていて、そこにも席がつくられています。
黒、こげ茶、濃い緑、そして白。 目に入るのがこんな色調なので、今日も暑い日でしたが、席に座るとすっと落ち着きました。
水なす、胡麻豆腐をはじめとしたおつまみをあれこれと、おなかのすいていた私は釜揚げうどんもいっしょにオーダー。
おつまみをおいしく味わっていると大きな備前焼のつぼが運ばれてきました。なかにはおうどんのための熱々のお出汁が入っていて、かなりの重さ。
お店のかたに都度ついでいただきながらゆっくりいただきました。
おつまみにしろお酒のコレクションもなかなかのもので、店主に味を尋ねながら選ぶ呑兵衛のBobも楽しそう。
あとから入ってくるお客層もみな年齢が似通っているせいか、静かに落ち着いて楽しめるお店です。
庭園を望む席は大きな一枚板のテーブルなので、しばらくして目の前にわたしたちよりちょっと上くらいのお年のおじさまと20代後半くらいの女の子が来て、お酒と渋いおつまみでずっとふたり静かに語らっていました。
でも、いわゆる世間的にマズイ関係ではなく、きっと作家先生と出版社の担当の編集者さんだろうな~と自然に思えたのは、お互いにシステム手帳を傍らにおいていたせいか湯島・根津・千駄木のこの土地柄のせいでしょうか・・・。
・・・って、いやはや余計なお世話ってヤツですネ。
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