2014年9月7日日曜日

文学香るこの街に、モダンな蔵のおうどん屋さん「釜竹」があります。

根津、千駄木、湯島といったあたりは、
六本木とか青山といった今風のきらびやかさはないけれど、
明治、大正、昭和と文化的な歴史とともに住む人々の
昔からの息遣いが直に感じられる街の深み・厚みがあります。
今回駅を降りてすぐのお店に向かう道すがらでさえ、
お~っと思うような文豪の住居跡の碑がさりげなく溶け込んでいたり、
ちょっとした路地をのぞけば
古い町にモダンな建物と思ったら焼き鳥やさんだったり、
おもしろい発見・意外な発見がそこここに隠れていて興味をそそられました。 
この街、さすがです。        
・・・というわけで
夫とともにおじゃました根津の老舗のおうどん屋さん、釜竹
角を曲がって古い住宅街を少し歩いたなと思ったら大きな蔵がみえて、
その横がこの店の入り口なのでした。 
おおげさな看板がでているわけでもないので
暗い夜ならわからなかったかもしれません。

でもお店に入ってびっくり。
日本庭園をゆっくり楽しめるように全面にガラス窓が大きく張られた店内。
フローリングの床に高い天井から規則正しくテーブルを照らすスポットライト。 
実に落ち着いて清々しくモダン。
うしろにある階段を数段上がると白い蔵のなかに入れるようになっていて
そこにも席がつくられています。
黒、こげ茶、濃い緑、そして白。 
目に入るのがこんな色調なので、
暑い日でしたが、席に座るとすっと落ち着きました。

水茄子をはじめとしたおつまみをあれこれと、
おなかのすいていた私は釜揚げうどんもいっしょにオーダー。
おつまみをおいしく味わっていると大きな備前焼のつぼが運ばれてきました。
なかにはおうどんのための熱々のお出汁が入っていて、かなりの重さ。
お店のかたに都度ついでいただきながらゆっくりいただきました。

水茄子はとてもみずみずしいし
胡麻豆腐のコクがとってもうれしい。
おつまみにしろお酒のコレクションもなかなかのもので、
店主に味を尋ねながら選ぶ呑兵衛の夫も楽しそう。
あとから入ってくるお客層もみな年齢が似通っているせいか、
しっとり静かに、落ち着いて楽しめるお店です。
庭園を望む席は大きな一枚板のテーブルなので、
しばらくして目の前に
わたしたちよりちょっと上くらいのお年のおじさまと20代後半くらいの女の子が来て、
お酒と渋いおつまみでずっとふたり静かに語らっていました。
 
・・・とはいっても、いわゆる世間的にマズイ関係ではなく、
きっと作家先生と出版社の担当の編集者さんだろうな~と自然に思えたのは、
お互いにシステム手帳を傍らにおいていたせいか
湯島・根津・千駄木のこの土地柄のせいでしょうか・・・。
                              ・・・って、いやはや余計なお世話ですネ
                      



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